「子どもは、遊ぶのが仕事」
かつてはよく聞かれたことばです。
しかし、今はどうでしょう。どれだけの子どもが自由に遊んでいるでしょうか。
小学校に入る前から、いくつものおけいこを掛け持ちしている子どもも少なくはありません。
親は誰しも、「子どもが困らないように」「自分で思い描いた人生を幸せに歩めるように」と願い、できるだけのことをしよう、与えようと頑張ります。そのための情報もたくさんあります。スマートフォンをタッチすれば、滝のように情報が流れてきます。
しかし、立ち止まって、子どもをよく見てほしいのです。
あなたの子どもは何が好きですか?
何を楽しんでいますか?
それを知らずして、子どもの人生が果たして見つかっていくでしょうか。
本書では、一貫して「遊び」の大切さを説いています。それは、「遊び」こそが、子どもの真の学びの場であり、親が子どものありのままの姿を知る唯一の機会だからです。
私はこれまでに乳幼児の親御さんから中学受験を控える家庭まで、6000回を超える個人面談を重ね、数多くの子どもたちの成長と学習に関わってきました。
時間をかけてお話を伺うことで、ご家庭ごとの事情と子どもそれぞれの特性を詳しくつかみ、助言し、成果を重ねる。そして、子どもたちのその後の成長、受験の合否、人生の選択を見守ってきました。
そこで確信したのは、幼児から小学校低学年までの育ち方がいかに大切かということです。何より、勉強に必要な力、人とつながる力、そして社会の中で生きていく自信にもつながる大切なもの。それが、本書でお伝えしていく「遊び」なのです。
さあ、親子で遊びましょう。
遊びに「正しい」も「間違っている」もありません。楽しければいいのです。
楽しい時間を一緒に過ごすこと。
それが子どもの一生の財産になるのです。
(「はじめに」より)