はじめに
きょうだい間のトラブルは、多くの家庭で日常的に起こります。しかし、それは必ずしも避けるべきものではありません。むしろ、子どもたちが社会性や自己理解を深めるための重要な学びの場でもあるのです。とはいえ、親としてどのように関われば良いのか悩まれてしまう方も多いですよね。今回は、きょうだい喧嘩を通した親の関わりについてお伝えしていきます。
きょうだい間のトラブルは、多くの家庭で日常的に起こります。しかし、それは必ずしも避けるべきものではありません。むしろ、子どもたちが社会性や自己理解を深めるための重要な学びの場でもあるのです。とはいえ、親としてどのように関われば良いのか悩まれてしまう方も多いですよね。今回は、きょうだい喧嘩を通した親の関わりについてお伝えしていきます。
教育家・見守る子育て研究所 所長
1973年生まれ。京都大学法学部卒業。
私は学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として学習産業に関わってきました。
大学を卒業した後、ご縁をいただいて、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設し、以降18年間に渡って代表を務めてきました。
喧嘩は、人間関係を学ぶための自然なプロセスです。特に子どもたちは、自己主張や感情表現を通じて、自分と他者の違いを理解していきます。このような経験を経ることで、コミュニケーション能力や問題解決力が育まれていくんですね。
その際に重要なのが、親が喧嘩を頭ごなしに否定しないことです。喧嘩が発生する背景や動機を理解し、子どもたちが健全に感情を表現しながら解決できる環境を作っていきましょう。
喧嘩のきっかけや経緯を整理するために、まずは子どもたちから話を聞くようにしましょう。このとき、善悪の判断は後回しにし、まずは事実関係を理解することに努めます。子どもたちは親に話を聞いてもらえることで安心感を得ると同時に、自分の気持ちを整理する機会を持つことができます。
親が一方的に「どちらが悪い」と判断すると、子どもたちは自己防衛に走りやすくなります。その結果、本来の問題解決には至らず、不満や反発が残ってしまうことも。親はあくまで中立的な立場を保ち、双方の気持ちに寄り添う姿勢を示しましょう。
喧嘩を許容する一方で、安全を守るためのルールを明確にすることはとても大切です。例えば、「道具を使ってはいけない」「首から上を叩いてはいけない」といった具体的なルールを設けることで、子どもたちは安心して感情を表現できるようになります。
自分の感情や行動を客観的に振り返る力(メタ認知力)を育てることが、長期的な人間関係の発展に寄与します。親は子どもに「どうしてそう感じたのか」「相手はどう思ったか」を問いかけながら、気持ちを言語化するサポートをしましょう。
上の子が下の子に対して強く当たるケースでは、その背景にある上の子の不安や不満をまず理解するように試みましょう。親は上の子に寄り添いながら、その行動の理由を探り、建設的な問題解決の方法を一緒に探してみましょう。同時に、下の子には安心感を与えることも必要になってきます。
幼児期の子どもは感情をコントロールする力が未熟です。このような場合、行動を否定するのではなく、感情の受け止め方を教える機会として捉えると良いでしょう。また、安全を守るためのルールを繰り返し伝え、親が一貫した態度を示すことが重要です。
親自身が限界を感じることもあります。このようなときは、外部のサポートを積極的に利用することや、子ども自身に助けを求めることも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?親が完璧を目指す必要はなく、助けを借りることも大切な選択肢です。
きょうだいを平等に扱おうとするあまり、一人ひとりの個性や状況を見落としてしまうこともよく起こり得ます。平等とは「同じ扱い」を意味しますが、公平は「必要に応じた配慮」を意味します。
子どもたちはそれぞれ異なる性格や成長段階にあります。その違いを理解し、それぞれに合ったサポートをすることが、真の公平な対応に繋がっていくことを意識してみましょう。
きょうだい喧嘩は、単なる問題行動ではなく、子どもたちが社会性や感情コントロールを学ぶ貴重な機会です。親はその過程を見守り、必要に応じてサポートする役割を担っていきましょう。「平等」ではなく「公平」を意識し、それぞれの子どもの気持ちや状況に寄り添うことを意識されてみてはいかがでしょうか。
親が子どもたちの話をしっかりと聞き、その思いを受け止めることで、子どもたちは安心感を得られます。親が味方であるという信頼感があれば、子どもたちは感情を落ち着かせ、前向きな解決策を見つける力を育むことができます。