見守る子育て 最終更新日時:2024.05.08 (公開日:2024.03.06)

子どもの癇癪を『才能』に変える子育てのアプローチとは

子どもの癇癪を『才能』に変える子育てのアプローチとは

どうして子どもは癇癪を起こすのでしょうか?
そこにはその子自身の才能を開花するポイントがあります。

    Contents

  1. 子どもの癇癪に隠された意味
  2. 子どもの癇癪の原因を理解するためのポイント
  3. 子どもの癇癪を受け止める親子のコミュニケーション
  4. 子どもの才能を伸ばす小川大介「見守る子育て式」アドバイス
小川  大介

教育家・見守る子育て研究所 所長

小川 大介

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。

私は学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として学習産業に関わってきました。
大学を卒業した後、ご縁をいただいて、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設し、以降18年間に渡って代表を務めてきました。

親御さんや先生などを含め、多くの大人が子どもの癇癪をマイナス行動と捉えたり、問題行動と呼んでみたりします。

どうして子どもは癇癪を起こすのでしょうか?

そこには、その子自身の才能を開花するポイントがあります。

 

子どもの癇癪に隠された意味

ゲームでも勉強でも、自分の思い通りにいかないと癇癪を起こして大変だ、というお子さんもいらっしゃいますよね。

そもそもどうして癇癪を起こすのでしょうか?

癇癪を起こす時、そこでは大きなエネルギーが爆発しています。
つまり子どもの中で「大きな心の動き」があったから、「大きく行動や言動に現れている」のです。

本人にとって、癇癪という行動が引き起こされる手前の出来事に、大きな意味や大きな刺激が隠されています。

もしくは本人の中に譲れない想いがあって、そこを刺激したからこそ、大きな反発が生まれたり、悔しさが生まれ、それが癇癪を引き起こしているということもあるでしょう。

つまり、癇癪は子どもの持つ才能であり、パワーの表れなのです。

冷静に考えてみると、そこまで怒れるってすごいことですよね。

 

子どもの癇癪の原因を理解するためのポイント

例えば、「お利口さん」といわれる子は、褒めてもらう経験が多く、自分はできるはずという想いが強く育まれていることがあります。

また、うまくできる自分自身の姿が好きだというお子さんも多くいらっしゃいます。

この場合、思うようにいかなかったときに、本人にとってはこんなはずじゃない、これは自分ではないと癇癪を起こすケースがあります。

そんな時は、「本当は出来るはずだったんだよね。どうして出来なかったのか一緒に試してみようか」などと、子ども自身が思い描いてる状態に共感し、その実現を具体的に一緒にやられてみてはいかがでしょうか。

そして、「やっぱりできたね」と本来の状態に戻れたことを子どもと一緒に経験することは、その子自身に大きな安心感を感じさせる関わり方の一つとなります。

また、学校の宿題などもただ終わればいい、という大人側の事情や都合で、子供の行動をジャッジしてしまうこともあるかもしれません。

そんな時は、同じやるにしても、子ども本人が持っている完成イメージをまずは聞いてあげて欲しいと思います。

 

子どもの癇癪を受け止める親子のコミュニケーション

例えば、思うように問題が解けずバツがついたとき、大人はつい「失敗から学べばいいんだよ。」などと安易に言ってしまいがちです。

もちろん失敗から学んでいく力というのは、非常に大切なことですが、

バツが嫌い、解けないこと自体が嫌、というお子さんにとってその言葉がけでは力にならない場合もあります。

失敗から学ぶことができる人は、間違えたことにはそれほど反応せず、次はできるというある種の楽観的な考え方や、自信に支えられています。

一方で、思い通りにいかなかったことにショックを受けて、傷ついてしまう繊細さや、細やかさがあるお子さんの場合、その間違えが物事の全てだと感じてしまうことも起こり得ます。

そして、全力で傷つきながらも、できるはずだという自分への信頼・信じたい想いとの間で癇癪を起こすわけです。

親御さんにはまず一番に、思う姿と違うことが起きて狼狽えている子どもの状態を理解してあげて欲しいと思うのです。

そして、本人ができるはずだ、と安心して思えるような具体的な姿、やり方を示してあげたいものです。

すると、やってみよう!とチャレンジするお子さんは多いはずです。
なぜなら、癇癪を起こすお子さんは出来る自分が好きな、頑張り屋さんだからです。

 

子どもの才能を伸ばす小川大介「見守る子育て式」アドバイス

現代は、多様な習い事が用意されていたり、子育てのお役立ち情報が溢れていたりと、環境が整えられていて、うまくいく体験がたくさんできる時代であるといえます。

その一方で、間違えることや失敗すること、思い通りにいかないことに対する、免疫が育ちにくい一面もあるのではないかと思います。

こうした状況は日本だけでなく、どこの国でも同じことがいえます。

ただ、そうした他国と比較したときに、子どもの傷つきやすさは同じでも、大人側の意識改革が遅れているということはないでしょうか。

どんな意識改革かといえば、子ども一人ひとりの才能を見つけ、それを伸ばしていこうとする、まさに「見守る子育て」の考え方です。

お子さんが頻繁に癇癪を起こすという場合には、是非「本人の才能と強い想いが表れてるんだ」という前向きな目で、もう一度お子さんを見てみてください。

そして、才能を見つける目を、個別の関わり方を、一緒に増やしていきましょう!