見守る子育て 最終更新日時:2024.05.08 (公開日:2024.05.07)

「褒める」関わりで子どもの学習意欲を高めるコツとは

「褒める」関わりで子どもの学習意欲を高めるコツとは

子どもの自己肯定感を伸ばし、学習に対しても前向きに取り組む子どもになって欲しいそう願った時、私たち親はどのように子どもと関わっていけば良いのでしょうか

今回は「褒める」ということに焦点を当てて、子どもとの関わり方の3つのコツをお伝えしていきます。



    Contents

  1. 「褒める」ことの意味と効果
  2. 褒めることが苦手な人へのアドバイス
  3. 上手に褒めている親の共通点
  4. 褒め言葉の効果を最大限に引き出す方法
  5. 本心からの褒め言葉が子どもに与える影響
  6. 褒める前に大切なこととは?
  7. 「褒める」子育てのコツ!小川大介「見守る子育て式」アドバイス
小川  大介

教育家・見守る子育て研究所 所長

小川 大介

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。

私は学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として学習産業に関わってきました。
大学を卒業した後、ご縁をいただいて、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設し、以降18年間に渡って代表を務めてきました。

「褒める」ことの意味と効果

学習意欲を高める上で最も大切なことは「褒める」「励ます」ことではないでしょう

特に親から褒めてもらったり、励ましてもらうと、子どもはとても喜びます。ぜひ、子どもたちの日々の姿に目を向け、声をかけてみましょう。

そして、頑張っていることに「そうなんだね」と耳を傾け、笑顔でコミュニケーションをとることを心がけてみてください

それだけで、子どもたちは「自分が受け入れられている」「応援してもらえている」と感じ取ります。

その安心感があってこそ、努力することも必要となってくる「学ぶ」ことに対しても、成長の喜びを感じられるものとして前向きに関わることができるようになっていきます

また、褒めるという行為は、子どもに自分自身を教えてあげる、という大きな一面も担っています。

褒められることにより、僕はこれができる人だ、私はこれが得意な人だ、といった自分自身のイメージをも作り上げていくことができるのです。

褒めることが苦手な人へのアドバイス

ここまで読んで、「褒めてあげたいと思うけれど、何を褒めてあげたらいいかがわからない」

「褒めてあげようと見ているうちに、イライラの方が先に出てきてしまう」と感じる方もいるかもしれません。

この傾向は、いつも期待値が高く自分自身にも厳しい親御さんに多くみられます。

そんな時は、まずその状態を認め、期待値を低く調整しなおしてから我が子と向き合ってみましょお子さんが前向きに頑張りやすくなるよう応援することに集中してみてくださいね。

また、親自身が褒められた経験が少なく、褒めるということにピンとこないという方もいらっしゃいます。

そういう方は「あの時は頑張っていたよね、褒めて欲しかったよね」と心の中で当時の自分に対して褒めてあげましょう。

自分の心の調整をすることで、今、目の前にいる我が子の様々な点を褒めてあげやすくなりますので、是非試してみてください

さらに、褒めることが苦手な人の中には観察することが不足しているケースもあるように思います。

結果は見ているけれど、取り組んでいる最中については見ていないという親御さんとも数多く接してきました。

褒めるポイントは「今これを頑張っているんだね」と今取り組んでいるものを認め、それを伝えるところにあります

褒めるところがないと諦めるのではなく、褒めるところを見つけるためにも、まずはよく観察してみるといった視点でお子さんに接してみてください。

上手に褒めている親の共通点

その上で、褒めることが上手な親御さんには3つの共通点があります。

ぜひ、ポイントを意識して褒め上手な親になっていきましょう。

褒め言葉の効果を最大限に引き出す方法

【ポイントその1】具体的に褒める

何ができているのか、どのように出来たのか、どういう点がすごいと思ったのか、そしてその結果、親御さん本人がどんな気分になったのか、という具体的な話をお子さんに伝えてみてください

具体的に褒めてもらった子は、今見てくれていた、気づいてくれた、という点にも喜びを感じるでしょう。

ここの具体的に、という点が抜けてしまうと、親側はいつも褒めていると思っていても、お子さんにとっては何を褒められたのかがうまく伝わらず、その実感が半減してしまいます。

本心からの褒め言葉が子どもに与える影響

【ポイントその2】素直な気持ちで褒める

こんな風に褒めると、子どもはこう受け取り、次にこれを頑張るのではないか、などと褒めることの裏側で、子どもが思い通りに動いてくれる姿を想像する親御さんもいらっしゃるかもしれません。

そうしたい気持ちもわかりますが、心のこもっていない言葉に対し、子どもは大人以上に敏感に察知する能力を持っています

本心ではない褒め言葉を言われたとき、警戒したり裏切られたような気持ちを抱く子どもも少なくありません。

それよりも、「そんなことができるようになったんだ」「それ知ってるんだ」というような、ふと浮かんだ素直な喜びや驚きを、是非そのままお子さんに伝えてあげてください

上手な言い方でなくても大丈夫ですので、正直に心が動いたことを届けることを意識していただけたらと思います。

褒める前に大切なこととは?

【ポイントその3】よく観察する・よく見る

どうやって褒めようかと悩む前に、まずは「よく観察する」「よく見る」ということを大切にしてみてください

すると、物事の結果だけでなく、過程の中での子どもの心や表情の機微、何かを乗り越える際の努力など、たくさんのことを見つけてあげることができます。

是非よく観察して、気づいた点をお子さんにそのまま伝えてあげてください。

「褒める」子育てのコツ!小川大介「見守る子育て式」アドバイス

子どもたちは本来自分で育つ力を持っています。

親が子どもを操作しようとしたり、都合よく動かそうとしようとしても上手くいかないのはこのためです。

それよりも、子どものやっていることをしっかりと見て、それを言葉で伝える

そして「こんな力があるんだね」ということに気づかせ、応援してあげる

この繰り返しが大切だと思うのです

難しく考えずに、親として素直な気持ちでお子さんと関わっていけば大丈夫です。

ぜひ、お子さん自身が持っている力を信じ、見守っていきましょう。