子育ての悩みの中でも多く寄せられる「勉強に関するお悩み」
多くの親御さんが、子どもに主体的に勉強に取り組んでほしいと願っているのではないでしょうか?
しかし実際は、なかなか勉強を始めないお子さんに対して、つい「早くやりなさい」などと叱ってしまう場面も多いかもしれません。
子どもが勉強を始めない、というお悩みを解決するには、そこに隠れたお子さんのあるサインに気づくことがポイントになります。
子育ての悩みの中でも多く寄せられる「勉強に関するお悩み」
多くの親御さんが、子どもに主体的に勉強に取り組んでほしいと願っているのではないでしょうか?
しかし実際は、なかなか勉強を始めないお子さんに対して、つい「早くやりなさい」などと叱ってしまう場面も多いかもしれません。
子どもが勉強を始めない、というお悩みを解決するには、そこに隠れたお子さんのあるサインに気づくことがポイントになります。
教育家・見守る子育て研究所 所長
1973年生まれ。京都大学法学部卒業。
私は学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として学習産業に関わってきました。
大学を卒業した後、ご縁をいただいて、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設し、以降18年間に渡って代表を務めてきました。
なかなか勉強を始めないお子さんを見た時に「やる気がない」と決めつけてしまってはいないでしょうか?
僕が思うに、勉強そのものが本当に嫌いなお子さんは実は少なく、どの子も勉強へのやる気はあるように思います。
ですが、以前勉強のことで叱られた記憶があったり、他の子と比べられて気分が落ち込むことがあったなど、そこにはなかなか勉強に取りかかれない子どもなりの事情があることをまずは理解して、分かってあげてほしいと思います。
なかなか勉強に取り組まない=実は困っていて進むことが出来ない、というお子さんからのサインが隠れていることに親御さんにはぜひ気づいていただきたいと思うのです。
その上でよく観察して「この子は何に困っているんだろう」といった視点からお子さんをサポートしていきましょう。
子どもが勉強に取り組まない理由は主に3つあります。
それぞれどう対応していけばいいのか順に見ていきましょう。
【理由その①】
やりたくない。他にやりたいことがある、というハッキリとした意思がある
この場合、お子さんの言い分に耳を傾けてその気持ちをしっかりと聞かせてもらいましょう。
途中で話を遮ることなく最後まで聞くようにしてくださいね。
次に本人の希望を叶えつつ、勉強に取り組むにはどうすればいいかを本人と相談しましょう。
例えば、時間の組み立て方を工夫してみたり、本人がやりたいことは週末にまとめて時間を取って、平日は勉強を優先するといった具体的な方法を考えてみましょう。
ここでのポイントは「あなたの意志を尊重するよ、受け止めようとしてるよ」と親御さんの気持ちをきちんと伝えることです。
自分自身の思いを汲み取ってもらえて、やりたいことを叶えさせようとしてくれているんだ、とわかれば子どもは理性の力が働くようになります。
逆に口先だけで親のいいように決めてしまうと、反発心からますます違う方向に意志が向いてしまいます。
お子さんをひとりの自立した人格として認め、一緒に相談をし、納得を重ねていくことが大切になってきます。
【理由その②】
やり方がわからない。わからなくて困っている
実は、子どもたちの勉強しない問題で一番多い理由がこの「わからない」なんです。
大人から見ると当たり前だと思うことでも、子どもたちはわかっていないことがあります。
例えば、習ったことを思い出すには授業ノートと教科書を開いて読み返せば良い、とか、
漢字を覚える時には意味を確認した上で形もよく観察する、これをセットで覚えると良い、とか。
大人にとっては当たり前のことですが、子どもたちは知らないんですね。
知らないから、手が止まってしまう。
この解決法は、1つ1つのやり方を教えてあげることです。
そうすると子どもは困った時の乗り越え方を知っていきます。
そしてここでのポイントは、「今何をしたから上手くいったのか」の振り返りをすることです。
すると子どもは「やり方を変えたから、今できたんだ」ということを学びます。
これを毎日繰り返していくうちに、勉強で困った時はどうすればいいか、という乗り越えるための技を身につけていき、自分だけでできることがだんだんと増えていくのです。
その結果、自分で勉強を進めることができるようになっていきます。
【理由その③】
いつから始めるか、腹が決まっていない
親御さんが「いつ始めるの?」と聞き、「6時からやる」と言ったが、時間になってもやり始めない。
こういうパターンも多いですよね。
ですがこの時、お子さんは決してウソをついた訳ではなく、やろうとしたけれど、動いていないだけ、という状態なのです。
この場合、お子さんが自分で勉強を始めるためのサポートの仕方を親子で一緒に考えてみましょう。
ここでのポイントは「理性の力」をいかに引き出すか、です。
具体的には、本人が勉強を始めている場面をイメージできるようにシュミレーションをさせてあげます。
スポーツ選手のイメージトレーニングと同じ感覚ですね。
実際に6時から自分が勉強を始めてるイメージトレーニングを手伝ってあげましょう。
6時から始めるためには、10分前にはこういう状態で、などと細やかなシュミレーションをしていきます。すると、だんだんと身体の感覚が整ってきますから、決めた時間になると「よし、やろう」という気持ちに自然となっていくのです。
このような丁寧な関わりを重ねると、これまでなかなか勉強を始めなかったお子さんがスムーズに自分から勉強を始められるようになっていきますよ。
一見、「この子は勉強をやる気がない」と思うようなことでも、実際はできなくて困っているお子さんは大勢います。
まずはお子さんが何に困っているのか、そのお困りポイントを見つけてみましょう!
そして、親子で勉強への取り組み方を一緒に考えていけると良いですね。