先日、あるテレビ局の朝の情報番組から、
「令和の算数学習」について取材を受けました。
その準備のために、今の算数学習アプリやデジタル教材を調べながら、僕自身が改めて強く考えたことがあります。
今はもう、
「子どもを教材に合わせる」時代ではない。
「教材を子どもに合わせる」ことができる時代だ。
ということです。
そしてこれは、
才能タイプ子育てを知っている親にとって、とても大きな追い風です。
算数は「計算できるか」だけの教科ではない
小学校高学年になると、
「それまで算数は得意だったのに、急に分からなくなった」
という子が増えてきます。
これは、単に問題が難しくなったからではありません。
低学年の算数では、
実際の物や場面を思い浮かべながら考えることができます。
でも高学年になると、
割合や比、速さのように、
「目には見えない関係」を扱う必要が出てきます。
ここで子どもに求められているのは、
計算力のアップだけではありません。
考え方そのものを一段変えることです。
目に見えるものを数える。
そこから、
何と何を比べるのか。
どんな関係になっているのか。
その関係を数字でどう表すのか。
へと、思考の仕方を変えていく。
この変化についていけないまま、
「練習が足りない」
「もっと問題を解けばできる」
と問題数だけ増やしてしまうと、ほとんどの子はつまずきます。
分からなくなります。
ここでのつまずきを放置することは、
単に一つの単元を分からないままにすることではありません。
「これまでの考え方では解けないから、考え方そのものを変えていこう」
という必要性を放置することです。
だから、その先でも、大きな壁にぶつかり続けることになります。
本当に怖いのは「算数ができない」と思い込むこと
僕が親御さんたちに、一番気にして欲しいのは、点数そのものではありません。
問題を見た瞬間に鉛筆が止まる。
「もう分からない」と言って、考えるのをやめる。
親が「どこが分からないの?」と聞いても、「全部」と答える。
こうなってくると、
知識が足りないというより、
「自分は算数ができない」
という自己認知が生み出されてしまいます。
一度そう思い込むと、
本当は考えれば分かる問題でも、
考える前に諦めるようになります。
だから、つまずいた時に見るべきなのは、
「もっとやらせるべきか」ではありません。
「この子は、どこで思考が止まったのか」です。
今は「学びの入口」を選べる
ここで、令和の学習環境の良さが生きてきます。
今回、いろいろな教材やアプリを調べました。
図形の動きを見せて理解させるもの。
指を動かして数量感覚をつくるもの。
ゲームを進めながら自然に問題を解かせるもの。
理解の抜けを探して、必要なところまで戻ってくれるもの。
中高生向けになると、
AIがいきなり答えを出すのではなく、
ヒントを出しながら思考の順番を支えてくれるものまで登場しています。
こうしたツールの価値は、
「新しいからすごい」ことではありません。
学びの入口が増えたことです。
ここが大事です。
学習は、
始める。
手をつける。
やってみる。
ここからしか始まりません。
紙の問題集を開くことは、なかなか動き出せない子でも、
ゲームなら自然に始められることがあります。
長い説明を聞いても分からなかった子が、
動く図を見た瞬間に「あ、そういうことか」と理解することもあります。
アプリには、
この「最初の一歩」をつくる力があります。
でも、アプリで「分かった」で終わってはいけない
ここは、とても大事です。
アプリを見て、
「分かった!」
問題にも答えられた。
だから理解できた。
そうとは限りません。
特に、視覚への反応が強い子には、
「見えた瞬間に分かった気になる」ことがあります。
全体の構造は見えている。
だから本人は分かったつもりになっている。
でも、
なぜそうなるのか。
どの順番で考えたのか。
自分で紙に書こうとしたら、どこから始めるのか。
ここが整理されていないこと、認識できていないことがよくあります。
画面を見れば分かる。
でも、紙の前に座ると手が止まる。
見えている。
でも、書けない。
これはまだ、
「使える理解」にはなっていません。
テンポよく答えられるのに、紙では止まる子もいる
身体感覚がよく働く子にも、
似たことが起きます。
画面上で類題がテンポよく出てくる。
すぐタップする。
次の問題が出る。
また答える。
こういう流れの中では、
驚くほどスムーズに解ける子がいます。
でも、よく見ると、
一つずつ理屈を整理して解いているのではなく、
「こんな感じ」で答えを出していることがあります。
刺激に反応して、
身体が答え方を覚えている。
これはその子の強みです。
でも、その状態のままでは、
自分で問題を読む。
何を聞かれているか理解する。
方針を立てる。
順番に手を動かす。
答えを仕上げる。
という、「思考と手順の組み立てが必要な学習」になると、止まってしまいます。
だから、アプリ上でスムーズに解けることと、
【自分の力で解ける】ことは同じではありません。
令和の算数学習で大事なのは、このサイクルです
僕は、これからの学習では、
始める
↓
分かる
↓
使う
↓
紙の上で書いて解く
↓
できる
↓
次に取り組み「始める」
↓
・・・
このサイクルが回ることが大事だと考えています。
アプリは、
「始める」
「分かる」
を助けるのが得意です。
さらに、
アプリ上で問題を解けば、
「使う」
ところまでは進めます。
でも、その次が必要です。
紙の上で、
自分の頭で考えて、
自分の手を動かして、
最後まで解答を仕上げる。
そこで初めて、「自分は本当にできる」という確認ができます。
さらに、それを先生や親、他の人にも示せる。
「できた」という実感が生まれる。
その実感が、「次もやってみよう」につながる。
また学び始める。
この循環が動いていくことが大事なのです。
アプリか紙か、ではない
だから僕は、
「これからはデジタルだから、紙はいらない」
とも、
「やっぱり紙が一番だから、アプリは必要ない」
とも考えていません。
役割が違います。
アプリは、
学び始めるきっかけをつくりやすい。
理解の入口も増やせる。
紙は、
自分で手順を整理し、
一つずつ考え、
最後まで解き切る経験をつくりやすい。
だから、
アプリは、学び始めるきっかけと理解をつくるために使う。
その理解を、紙の上で自分の頭と手を使って再現する。
「分かった」を「使える」に変えるところまで進めることが大事です。
これが、令和の学習で親が知っておきたいポイントの一つです。
「どの教材がいいか」を探すことが本質ではない
ここまで読むと、
「じゃあ、どのアプリが一番いいの?」
と思うかもしれません。
でも、本当に大事なのは、
「どの教材がいいか」を探すことではありません。
「うちの子はどういうタイプだから、
どうすれば学びが始まるのか?」
ここを見ることです。
例えば、
慎重で、始めるまでに時間がかかる子。
目で見た瞬間に反応する子。
実際に手を動かさないとピンと来ない子。
一人でコツコツ積み上げることで達成感を得る子。
クイズ形式になると急に乗ってくる子。
競争すると力を発揮する子。
一つ分からなくなっただけで、
全部ダメになったように感じてしまう子。
同じ「算数をやりたがらない」でも、
中で起きていることは全部違います。
だから、
同じ教材を渡しても反応が違うのは当然です。
才能タイプ子育てを知っている親には、追い風の時代
僕が長年の教育現場で体系化してきた「才能タイプ理論」では、
生まれ持った特性や、
物事の捉え方、
学び方、
動き方の違いを90タイプに整理しています。
でも、「このタイプだから、この教材」と決めるためのものではありません。
大切なのは、
この子は、何なら始めやすいのか。
何を手がかりにすると理解しやすいのか。
どういう形なら続けやすいのか。
どこで止まりやすいのか。
そして、分かったことをどうすれば
「使える理解」まで持っていけるのか。
そこを見ることです。
昔は、
子どもの違いが分かっても、
選べる教材が少なかった。
今は違います。
子どもを教材に合わせなくていい。
教材を子どもに合わせられる。
だから今は、才能タイプ子育てを知っている親にとって、
とても便利な時代です。
ただし、その子が入りやすい教材を選んで終わり、ではありません。
入り口は、その子に合わせる。
でも、そこから先は、
自分の頭で考え、自分の手で使えるところまで育てる。
ここまで含めて、
その子に合った学び方です。
親に必要なのは「やらせる力」ではなく「学びを動かす力」
令和の学習で、
親の役割も変わってきています。
子どもに、
「勉強しなさい」
「もっとやりなさい」
と言って動かすことが中心ではありません。
その子がどこなら始められるのか。
どんな見せ方なら分かるのか。
どこで止まったのか。
分かったあと、どうすれば使える状態まで進められるのか。
ここを見て、
環境や教材、関わり方を調整する。
僕はこれを、
子どもを「やらせる」のではなく、
学びが「動き出す」状態をつくること
だと考えています。
これこそ、
令和の親にできる戦略的な手助けです。
「うちの子は、結局どうしたらいい?」と迷っている方へ
とはいえ、ここまで読んで、
「理屈は分かった。でも、うちの子の場合はどうしたらいいの?」
と思った方もいるでしょう。
今は、本当に選択肢が多いです。
学校の宿題もある。
塾の教材もある。
市販教材もある。
アプリもある。
SNSを見れば、
「あれがいい」
「これも必要」
という情報が次々に入ってきます。
すると、
「今の教材を続けるべき?」
「他のものも試した方がいい?」
「もっとやらせた方がいい?」
「でも、やらせすぎたら逆効果?」
と、どんどん迷いが増えていきます。
あれもこれもはできない。
でも、何か見落としている気もする。
そのうち、「私の判断で大丈夫なのかな」と、親御さん自身が自信をなくしてしまう。
僕は、そういう方をたくさん見てきました。
でも、全部やる必要はありません。
必要なのは、「今、この子に一番必要なのは何か」を整理することです。
始め方を変えるのか。
教材を変えるのか。
今の教材を続けるのか。
紙での確認を増やすのか。
声のかけ方を変えるのか。
一度休ませるのか。
ここが見えると、やることはかなり絞れます。
何から始めたらいいか分からない方へ
「才能タイプは気になっている」
「なんとなくこのタイプかなと思うけれど、実際の学習にどう生かせばいいか分からない」
「いろいろ試しているのに、子どもが動かない」
「教材選びに自信が持てない」
「今の関わり方で合っているのか不安」
そんな方のために、「才能タイプ読み解き体験セッション」を用意しています。
15分という短い時間ですが、僕が直接お話を聞きます。
この15分は解決を得るための15分ではありません。
どの方向に向かえばいいか、取り組めばいいかを決められる15分です。
子育てや学習の悩みは、やることが多いから苦しいだけではありません。
何を優先すればいいのか分からない時も、親はとても迷います。
あれも気になる。
これも必要な気がする。
でも、全部はできない。
そんな時に必要なのは、やることを増やすことではありません。
今のわが子を見て、「まず、ここからでいい」と決めることです。
方向が決まれば、
親の関わり方も変わります。
教材の選び方も変わります。
子どもへの声のかけ方も変わります。
まず一つ、取り組む方向を決める。
そこから、親子の変化は始まります。
▼才能タイプ読み解き体験セッション
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