見守る子育て 最終更新日時:2025.04.29 (公開日:2025.04.29)

子育てがうまくいかないと感じるあなたへ ~自分を責めず、才能を活かす子育てを~

子育てがうまくいかないと感じるあなたへ ~自分を責めず、才能を活かす子育てを~

こんばんは、小川大介です。

今日お伝えしたいテーマは、「親のあなたは悪くない」ということです。これまで7000組以上の親子と向き合い続ける中で、心から確信していること。それは、子育てに悩み、苦労している親御さんたちは、誰一人として悪くないということです。

    Contents

  1. 子育てに悩む親は、誰よりも子どもを想っている
  2. 「影響は与える」でも「悪いわけではない」
  3. 親自身の才能タイプに目を向ける
  4. 「ザ・子育て」から自由になろう
  5. 自分を大切にすることが、子どもへの一番のギフト
小川  大介

教育家・見守る子育て研究所 所長

小川 大介

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。

私は学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として学習産業に関わってきました。
大学を卒業した後、ご縁をいただいて、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設し、以降18年間に渡って代表を務めてきました。

子育てに悩む親は、誰よりも子どもを想っている

勉強を頑張ってほしい、友だちと楽しく過ごしてほしい、自分に誇りを持って成長してほしい。親が子どもに求めることは、どれも子どもの幸せを願ってのことです。

たとえば、朝の登校前。子どもがぐずぐずしてなかなかランドセルを背負わないとき、つい「早くしなさい!」と強い口調で言ってしまうこともありますよね。でも、その言葉の奥にあるのは、「この子に遅刻して恥ずかしい思いをしてほしくない」「今日一日、楽しく過ごしてほしい」という親心なのです。

仕事で忙しく、疲れてイライラしてしまう日もあるでしょう。それもまた、家族を守るために必死に頑張っている証です。誰も、自分のためだけにそこまで頑張ることはできません。親だからこそ、自分の限界を超えて踏ん張っているのです。

子どもに「今日もがんばったね」と声をかけてあげるように、ぜひ自分にも「今日も一生懸命だったね」と声をかけてあげてください。深呼吸して、今日も親としてここまできた自分を、温かくねぎらってあげてほしいのです。

 

「影響は与える」でも「悪いわけではない」

親の行動や言葉が、子どもに影響を与えることは確かです。たとえば、宿題をなかなか始めない子どもに対して、「どうしてやらないの!」とつい叱ってしまう。でも、それを聞いた子どもが「自分はダメなんだ」と感じてしまうこともあるかもしれません。

けれども、影響を与えることと、悪いということは違います。子育てには、親も子どももお互いに影響を与え合うプロセスがあり、そこに絶対的な「正解」は存在しません。

もし子どもが不安そうな顔をしていたら、「今日はやる気が出ない日だったんだね」と言葉にして受け止めるだけで、子どもは安心できることもあります。

子育ては、一度で完璧な結果を出すものではありません。試行錯誤の積み重ねの中で、親子それぞれが自分のやり方を見つけていくものです。だから、うまくいかないことがあったとしても、自分を責めないでくださいね。

 

親自身の才能タイプに目を向ける

ここで大切なのが、「親であるあなた自身も才能タイプを持っている」という視点です。たとえば、計画を立てて物事を進めるのが得意な親が、自由奔放に動きたい子どもに「なんでちゃんとやらないの?」とイライラしてしまうこともあります。

自分の得意・不得意を知っておくと、子どもに対して「この子のやり方も一つの個性なんだ」と少し余裕を持って見守れるようになります。

たとえば、私は観察点検タイプです。情報を視覚的に捉え、論理的に整理して考える傾向があります。こうした私の特性を生かせば、問題点を素早く見抜いて言語化することができますが、逆に「とりあえず体を動かして覚える」というスタイルは苦手です。

まずは、今日から「私はどんなときに安心するかな?」「私はどんな説明のされ方がわかりやすいかな?」と、自分に問いかけてみてください。それが、子どもを見るときの優しい目線にもつながっていきます。

 

「ザ・子育て」から自由になろう

世の中には、理想的とされる子育てのパターンがあふれています。「早寝早起き朝ごはん」「家族で読書タイム」「挨拶は元気よく」…。確かに素晴らしい取り組みではありますが、それが自分自身の才能タイプや価値観に合わない場合、無理に真似ようとすると苦しくなることがあります。

たとえば、休日の朝。SNSでは「家族で朝活しています!」という投稿が並ぶ中、疲れていてゆっくり寝たい日もありますよね。そんなとき、「今日はゆっくり寝よう」「家族みんなでゴロゴロしよう」と決めることだって、立派な子育ての一環です。

「子どものために」と思うほど、頑張りすぎてしまうこともあります。でも、本当に子どもが必要としているのは、完璧な親ではなく、「一緒に笑える時間」かもしれません。

あなた自身が「これなら続けられるな」と思えるやり方を、大切にしてくださいね。

 

自分を大切にすることが、子どもへの一番のギフト

自分の才能タイプを活かして子育てをするとは、言い換えれば「無理なく、自然体で親でいる」ことです。

たとえば、好奇心爆発タイプの親なら、「これ面白そうだね!」と一緒に図鑑をめくるだけでも十分です。体験記憶タイプの親なら、「一緒にやってみようか」と手を動かす体験を共有することが得意かもしれません。

夜、子どもが寝たあと。今日一日を振り返って、「ああ、あのとき笑ってくれたな」「一緒におやつを食べて楽しかったな」と、小さな『うれしかった瞬間』を思い出してみてください。

それが、親自身の心をじんわりと温めてくれます。

そして、子育ての悩みがあっても、自分を責める必要はありません。「うまくいかない」のではなく、「自分に合わないやり方を続けていただけ」かもしれないのです。

これからは、あなた自身の才能をもっと大切にしていきましょう。親のあなたが自分を認め、安心できることで、きっと子どもも安心して、自分らしく伸びていきます。

うまくいかない日があっても、大丈夫。

あなたは、あなたらしく育てていけばいいのです。焦らず、少しずつ、自分らしい親子の形を育んでいきましょう。