見守る子育て 最終更新日時:2026.06.12 (公開日:2026.06.12)

中学受験、夏休み前に親がやるべきこと -夏期講習を「こなす夏」で終わらせないために-

中学受験、夏休み前に親がやるべきこと -夏期講習を「こなす夏」で終わらせないために-

こんにちは、小川大介です。

中学受験に取り組んでいるご家庭にとって、夏休みはとても大切な時期です。

特に小5・小6のご家庭では、

「夏で弱点をつぶしたい」
「夏期講習で一気に伸ばしたい」
「ここで頑張らせなければ間に合わない」

そんな気持ちが強くなっているのではないでしょうか?

もちろん、夏休みの学習は大切です。

まとまった時間があります。
塾の授業も増えます。
演習量も増えます。
普段は手をつけにくい復習にも取り組めそうに見えます。

けれど、ここで一つ、親御さんにぜひ知っておいてほしいことがあります。

夏休みの学習は、夏休みに入ってから準備を始めても、なかなかうまくいきません。

なぜなら、夏休みが始まると、想像以上に毎日が慌ただしくなるからです。

夏期講習の授業がある。
宿題が出る。
確認テストがある。
復習もしなければならない。
苦手単元も気になる。
過去問や志望校対策も頭をよぎる。

そうしているうちに、あっという間に一日が終わります‥

「夏に入ったら、じっくり考えよう」

そう思っていたはずなのに、実際には、目の前の課題をこなすだけで精一杯になってしまう。

これは毎年、本当に多くのご家庭で起きています。

    Contents

  1. 夏期講習は、子どもに合わせてくれるとは限らない
  2. まずは単元を3つに仕分ける
  3. 「やること」を決めるとは、「やらないこと」を決めること
  4. 計画は、親が立てただけでは動かない
  5. 才能タイプによって、夏の計画の作り方は変わる
  6. リフレッシュも、先に計画に入れる
  7. 夏休み前に、まず聞いてほしい一言
  8. 自分だけで見立てるのが難しいときは
小川  大介

教育家・見守る子育て研究所 所長

小川 大介

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。

私は学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として学習産業に関わってきました。
大学を卒業した後、ご縁をいただいて、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設し、以降18年間に渡って代表を務めてきました。

夏期講習は、子どもに合わせてくれるとは限らない

夏期講習に対して、
「塾で扱ってくれるから、そこで復習できるだろう」と思っている方も多いと思います。

ですが、ここには注意が必要です。

夏期講習の授業が、解説中心なのか、演習中心なのか
ここを確認しておかなければなりません。

特に小6の夏期講習では、すでに習った内容を前提にして、演習中心で進むことがよくあります。

先生が冒頭でポイントを確認し、すぐに問題演習に入る。

この形の授業で、基本理解があやふやな単元に取り組むとどうなるでしょうか。

子どもは、なんとなく問題を解きます。
なんとなく答え合わせをします。
なんとなく解説を聞きます。

でも、土台が入っていないので、体系的な理解にはつながりにくい。

結果として、「夏期講習で扱ったのに、結局よく分からないまま秋になった」ということが起きてしまいます。

だから、夏休み前にやるべき最初の準備は、塾の夏期講習をただ待つことではありません。

夏期講習をどう使うかを、先に決めておくことです。

まずは単元を3つに仕分ける

夏休み前に親がやるべきことの一つ目は、単元の仕分けです。

お子さんの各科目の単元を、次の3つに分けてみてください。

一つ目は、習い直したい単元です。

基本理解があやふやで、知識の土台からもう一度確認した方がよいものです。

二つ目は、演習で鍛えたい単元です。

基本は分かっているけれど、実際の問題で使いこなす経験が足りないものです。

三つ目は、暗記を仕上げたい単元です。

理解はできているけれど、知識として定着しきっていないものです。

この3つは、取り組み方がまったく違います。

習い直したい単元は、いきなり演習しても効果が出にくい。
演習で鍛えたい単元は、夏期講習の授業中に集中して取り組むことで力になりやすい。
暗記を仕上げたい単元は、短い時間でも繰り返し確認する設計が必要です。

つまり、同じ「復習」でも、中身は違うのです。

ここを分けないまま、「夏は苦手を全部やろう」と考えてしまうと、ほぼ確実に回りません。

全部やろうとすると、全部が薄くなります。

そして、子どもの中には「たくさんやったのに、身についていない」という疲れだけが残ってしまいます。

「やること」を決めるとは、「やらないこと」を決めること

夏の計画で一番難しいのは、やることを決めることではありません。

やらないことを決めることです。

親御さんは、どうしても不安になります。

「あの単元も気になる」
「ここもできていない」
「これも出たら困る」
「せっかく夏なのだから、全部触っておきたい」

その気持ちは、とてもよく分かります。

でも、子どもが実際に使える時間と集中力には限りがあります。

特に中学受験の夏は、塾の授業だけでもかなりの負荷があります。

そこに家庭学習を上乗せするなら、本当に必要なものを絞らなければなりません。

各科目で、夏に意識して取り組む単元は、多くても3つか4つ。

しかも、「速さ」「割合」「図形」といった大きな言葉では粗すぎます。

速さの中でも、基本の速さなのか
旅人算なのか
図形と速さなのか
割合と速さの関係なのか

そこまで絞る必要があります。

絞るから、集中できます。

集中するから、手応えが残ります。

手応えが残るから、子どもは次に動けます。

夏の学習で大切なのは、たくさんやった気分ではありません。

「これができるようになった」という実感です。

計画は、親が立てただけでは動かない

ここで、もう一つ大事なことがあります。

どれだけ親がよい計画を立てても、お子さん本人が

「これならやれそう」と思えていなければ、計画は動きません。

子どもが動けるようになるには、頭での納得と、心の上での「よし、やろう」という気分の両方が必要です。

親が見れば、

「この単元を先にやった方がいい」
「これは後回しでいい」
「この問題集は全部やらなくていい」

と判断できることがあります。

でも、それを急に伝えられた子どもは、納得できないことがあります。

特に、慎重な子、完璧にやりたい子、不安が強い子は、

「やらない単元を決める」こと自体に不安を感じやすいです。

「もし出たらどうするの」
「全部やらないと安心できない」
「2回は繰り返したい」

そう思っている子に対して、親がいきなり

「これはやらなくていい」と言うと、本人の中では、安心のために持っていた計画を壊されたように感じることがあります。

だから、夏休み直前では遅いのです。

今から、少しずつ会話をしておく必要があります。

「この単元ができるようになると、あなたの得点力につながりやすいよ」
「こっちは、できたらいいけれど、今は優先しなくても大丈夫だよ」
「全部を薄くやるより、この3つをしっかり身につけた方が、夏明けに力になるよ」

こうした納得の会話には、時間がかかります。

一度話して終わりではありません。

子どもは翌日になると、また不安になります。

「やっぱりあれもやった方がいいかな」

と言うこともあります。

それは、わがままではありません。

安心したいのです。

だからこそ、今から仕込みが必要なのです。

才能タイプによって、夏の計画の作り方は変わる

才能タイプ子育てでは、子どもが良い方向に動き出すために、二つの面を見ます。

一つは、その子が行動できるようになる要因です。

何があると安心して動けるのか
どんな順番なら理解しやすいのか
どの声かけで気持ちが前に向くのか
どんな環境なら集中しやすいのか

もう一つは、本人の行動を止めている障壁です。

どこで不安になるのか
何を言われると手が止まるのか
どんな見せ方だと混乱するのか
どんな環境だと力が出にくいのか

この両方が分かるから、親が無理にやらせなくても、子どもが自分の力を使って動き出せる関わり方が見つかります。

たとえば、聴覚をよく使う子は、単元一覧や成績表を見ながら、順番に確認していくことが比較的得意です。

「この単元はできている」
「ここはまだ怪しい」
「だから、夏はここを重点的にやろう」

と、言葉と順番で整理していくと、納得しやすいことがあります。

一方、視覚をよく使う子は、全体をパッとイメージで捉えます。

そのため、本人の中では

「ここはできる」と思っていても、実際の正答率を見るとまだ60%くらい、ということがあります。

また、視覚タイプの子は、やりたいことを広く思い浮かべる一方で、時間の見積もりが抜けやすいことがあります。

「これもやりたい、あれもやりたい」

と言っているけれど、全部合わせると到底2時間では終わらない。

そういうことが起こりやすいのです。

この場合は、本人のイメージを否定せず、まず聞くこと。

そのうえで、

「これを全部やると、何ページになるかな」
「1問4分だとすると、何分かかるかな」
「今日の時間で本当にできるのは、どこまでかな」

と、時間情報を一緒にすり合わせることが大切です。

身体感覚をよく使う子は、夏休みに入ると生活のリズムが崩れやすいことがあります。

学校がある時期は、登校、授業、休み時間、友だちの存在が、自然と体のスイッチを入れてくれています。

でも夏休みは、その外側のリズムがなくなります。

朝の学習時間を決めても、なかなか机に向かえない。

これは、やる気がないからとは限りません。

体を動かして学習へ向かうスイッチが、生活の中に設計されていないだけかもしれません。

その子には、塾の自習室を使う
個別指導の時間をリズムに組み込む
親が一緒にいられる時間帯に学習を置く
朝に軽く体を動かしてから始める

こうした環境の設計が大切になります。

リフレッシュも、先に計画に入れる

夏休みの準備で、もう一つ忘れてはいけないことがあります。

リフレッシュの時間です。

40日間、毎日ずっと勉強し続けることは、人間の構造上、現実的ではありません。

むしろ、目指すべきでもありません。

頭の中にたくさん入った情報を、一度流す。
心をゆるめる。
体を動かす。
好きなことに没頭する。
広い景色を見る。
静かな場所で自分に戻る。

そうした時間があるから、次の学習が入りやすくなります。

リフレッシュを「余った時間でやろう」とすると、たいてい余りません。

だから先に入れるのです。

この日は遊ぶ
この日は短めにする
この日は午後から休む
この日は好きな本を読む
この日は体を動かす

そう決めておくから、勉強する日の集中も生まれます。

夏の計画は、勉強だけを詰め込むものではありません。

子どもの力が出る生活全体を設計するものです。

夏休み前に、まず聞いてほしい一言

ここまで読んで、「やることが多いな」と感じた方もいるかもしれません。

その通りです。

夏休みの準備は、意外と考えることが多いのです。

だからこそ、まず今日、お子さんに一つだけ聞いてみてください。

「夏休み、勉強のことで、今どんなイメージを持ってる?」

この質問です。

大切なのは、すぐに否定しないことです。

「そんな計画じゃ無理」
「それは甘い」
「もっとやらないと」

と言いたくなるかもしれません。

でも、まず聞いてください。

お子さんが夏をどう見ているのか。

何をやろうと思っているのか。

何を不安に感じているのか。

どれくらい勉強するつもりでいるのか。

遊びや休みをどう考えているのか。

そこに、親子のずれが見えてきます。

ずれが見えれば、すり合わせができます。

見えないまま夏に入ると、ぶつかります。

自分だけで見立てるのが難しいときは

ここまで読んで、

「考えるべきことは分かった」

「でも、うちの子の場合はどこから見ればいいのか分からない」

「単元の仕分けも、声かけの仕方も、親子で話し合うことも、全部必要そうだけれど、自分だけで整理できる気がしない」

そう感じた方もいるかもしれません。

それは、無理もないことです。

お子さんの学習状態を見るときには、
成績表やテスト結果だけでなく、
その子がどんな順番で理解しやすいのか、
どんな場面で手が止まりやすいのか、
何があると安心して動き出せるのか、
親御さんの声かけがその子にどう届いているのか、

そうした複数の要素を重ねて見る必要があります。

才能タイプ子育てが、親が無理に「やらせる」方法ではないのに、子どもたちが良い方向に動き出せるのは、
本人が行動できるようになる要因と、
本人の行動を止めている障壁との両面が見えてくるからです。

分かるから、お子さんに合った個別最適な関わりができます。

分かるから、世間一般のやり方ではなく、わが家専用のやり方で迷わなくなります。

実際に、個別分析セッションでお子さんの学び方や止まり方を読み解いたことで、親御さんの関わり方が変わり、お子さんの行動が動き出したご家庭があります。

「個別分析セッションでは、どんなふうに親子の状態を読み解くのか」

「相談すると、何が見えるようになるのか」

を知りたい方は、こちらの事例集も参考にしてください。

▼個別分析セッション事例集はこちら
https://dapper-asparagus-7f8.notion.site/33d039b42aaf80c8adc2c359529b9e1f

 

ここまで読んで、

「うちはまず単元の仕分けからやってみよう」

「子どもと夏のイメージを話してみよう」

「リフレッシュの日も先に入れてみよう」

と思えた方は、ぜひそのまま始めてください。

完璧にできなくて大丈夫です。

お子さんの表情、手の動き、声の調子、机に向かうまでの時間、塾から帰ってきたときの疲れ方‥

そうした一つ一つを見ながら、少しずつ調整していけばいいのです。

ただし、もし今、

何から手をつければいいのか分からない
どの単元を優先すべきか判断できない
子どもが動き出してくれる気がしない
親子で話すと、結局けんかになってしまう
塾の課題が合っているのか分からない
このまま夏に入るのが不安

そう感じているなら、早めに僕を使ってください。

個別分析セッションでは、90タイプ才能診断と事前資料をもとに、お子さんの学び方、止まり方、動き出し方を読み解きます。

その子が行動できるようになる要因と、行動を止めている障壁

その両方を見ていきます。

分かるから、お子さんに合った個別最適な関わりができます。

分かるから、世間一般のやり方ではなく、わが家専用のやり方で迷わなくなります。

夏休みに入ってから立て直すより、夏休みに入る前に見立てを整える方が、親子ともにずっと楽です。

夏を、親子で消耗する時間にしないために

お子さんが自分の力を使って「やれてしまえる」夏にしていくために

必要な方は、個別分析セッションをご活用ください!

▼小川大介の個別分析セッション
https://sub.mimamoru.ne.jp/p/2e8HrK5QSlbT