「それ、前にも教えたよね」 「一緒にやった時は、分かったって言ったでしょう?」
子どもの勉強を見ていて、同じ言葉を繰り返してしまう。
解き方を説明し、注意するところも伝えている。それなのに、一人になるとできない。もう一度やろうと声をかけても、「もう分かったからいい」と言われる。
これ以上、どうすればいいのだろう。
そんな時、確かめたいことがあります。
親が「ちゃんと教えた」と思えることと、子どもがその手助けによって「やれてしまえる」ことは、同じではありません。
その違いを、ある【個別分析セッション】の実例に触れながら解説します。
※プライバシー保護の観点から、個人が分かる情報を省き、実際の相談とその後の報告をもとに再構成しています。
お母さんは、すでに十分頑張っていた
そのお母さんは、お子さんの勉強をとても丁寧に支えていました。
毎週の予定を立て、間違えた問題を整理し、復習に使えるようにする。
塾の授業に加えて、家庭教師の力も借りている。
事前に送っていただいた資料からも、手助けの丁寧さが伝わってきました。
でも、本人の勉強を見ると、気になることばかり。
授業動画を見ていても、ただ見終わっているように感じる。問題の解き方を説明すると、その場では分かる。でも、一人で解く時には生かせない。
お母さんは、何をするかも、どこに気をつけるかも伝えてきました。
「私からは、言ってきたつもりだったんですけどね」
セッション中のお母さんの言葉です。
実は、この言葉にこそ、親子が同じ悩みから抜け出せずにいた理由が隠れていました。
伝えている。教えている。手助けもしている。
けれど、その時、本人の頭の中では何が起きていたのでしょうか。
「分かった」と言う子に、僕が確かめたこと
僕は、答案やノートを見ながら、お子さん本人に尋ねていきました。
授業を聞く時、どこで頭を使っているのか。問題を読んだ後、どう考えて答えを書いているのか。
すると、算数では自分で書き込み、順番に考えられている一方、ほかの科目では、説明を聞いて納得したところで終わりやすいことが見えてきました。
理科の書き込みについて助言した時、お母さんは、これまでも印を付ける場所などを示してきたと話されました。本人も、その時は分かると言います。
そこで僕は、もう一歩、踏み込んで確かめました。
「説明を聞いて答えが分かった」ということと、
「どんな順番で、何をしたらいいかを、自分でも再現できる」ということ。
その違いです。
本人の意識は、「なるほど、この答えになるのか」に向いていました。
だから、もう一度やろうと言われても、「もう分かったからいい」と感じる。
一方、お母さんは、説明したやり方を次も使ってほしい。そのために、本人が何を理解し、何を経験する必要があるかまでは、見えていなかったのです。
同じ説明をもう一度繰り返すだけでは、ここは埋まりません。
才能タイプに合う手助けには、細部の違いがある
このお子さんは、「リズミカル記憶タイプ・実は繊細型」でした。
リズミカル記憶タイプのこの子は、何をどんな順番で進めるかが分かり、自分でその手順をたどって納得できると、力を使いやすい。
さらに、実は繊細型の特徴から、慣れていない方法には不安も生じやすい。本人に「これならできる」という手応えがあることが大切でした。
だから、「次からこうやってね」と指示を渡すだけでは、本人の行動につながりません。
説明を聞いた直後、まだその内容が頭にあるところで区切り、本人が頭や手を動かす。自分でやってみて、「こうすると考えられるんだ」と納得するところまで結びつける必要がありました。
同じ「教える」でも、いつ区切るか。何を本人に考えてもらうか。どこまで一緒に確かめるかで、子どもの中に残るものが変わります。
僕は本人にも、今は答えが分かったかどうかではなく、どうすればもっと自分の力を使えるか、その手順の話をしているのだと伝えました。
お母さんの支援は、全体としては間違っていません。
けれど、この子が理解し、実行できる形にまでは、細部が合っていなかった。
その違いを、答案と本人への問いかけ、才能タイプの特徴を照らし合わせながら見つけ、関わり方を具体的に調整していったのです。
「もっと頑張る」から、「どう支えればいいか分かる」へ
後日、お母さんから報告が届きました。
国語では復習の仕方を変え、テスト中にも、お子さんが文章に印を付けるようになった。算数は、本人に解き方やポイントを聞きながら、比較的順調に進められている。家庭教師にも相談内容を伝え、指導を改善してもらえたとのことでした。
もちろん、すべてが一度に変わったわけではありません。
理科と社会では、以前のやり方に戻ってしまうこともあり、お母さんの負担や、親子の衝突も残っていました。
その報告を受け、僕は、本人の中にどのように手順と納得を残していくかを、改めて具体的にお伝えしました。
その後、お母さんからいただいたのは、お子さんの行動や結果がすぐに変わらなくても、合う勉強方法が分かったことで、基本的なサポート方法に悩まずに済む安心感が大きい、という言葉でした。
僕と話したことが、今後の励みになったとも伝えてくださいました。
何度も教えているのに、なぜやらないのか。 これ以上、自分に何ができるのか。
その行き詰まりから、この子に必要な支え方が見え、実際の取り組みにも変化が出始めていました。
今の頑張りを、わが子の力につなげるために
教育に熱心な親御さんほど、すでに多くを学び、工夫しています。
だから、「もっと分かりやすく説明しましょう」「一緒にやってあげましょう」と言われても、「それはもうやっています」と感じるでしょう。
大切なのは、その「やっている」の中身です。
親が説明した。本人もうなずいた。だから伝わったと思う。
でも、その子が理解するために必要な一段階が抜けていたり、自分で実行する経験につながっていなかったりする。その違いは、毎日そばにいる親でも気づきにくいものです。
今回の記事を読んで「うちも同じようにすれば」と思った方も、お子さんの中で起きていることまで同じとは限りません。
【個別分析セッション】では、才能タイプと実際の状況から、その子がどこで分からなくなり、何があると考え始められるのかを読み解きます。そして、本人が「やれてしまえる」形に、支援を合わせていきます。
長く悩んでいたことでも、かみ合っていなかったところが見えると、今日から変えられる関わり方が見つかります。そこに、個別分析セッションの即効性があります。
この9月の連休でもお子さんの勉強を見る予定があり、「また同じことでぶつかりそうだ」と感じているなら、同じ説明を繰り返す前に、僕にご相談ください。
親御さんが原因を突き止めてから申し込む必要はありません。
「ここまでやっているのに、うまくいかない」。
その状況を聞かせていただくところから始めて、何が起きているかを解明し、
結果が出せる具体的な手立てまで導きます。
今までの努力を、わが子が力を発揮できる手助けにつなげるために。
今、個別分析セッションの案内をご覧ください。親子で消耗する時間を、前に進める時間へ変えていきましょう。
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